2011/12/08

[第9回]アトリビューション分科会




アクセス解析イニシアチブ主催のアトリビューションについての分科会に参加してきました。
講師は、朝日広告社の前田さん、MediaMindの渡邉さん。
MediaMindは、インターネット広告の第三者配信テクノロジーを提供している会社です。

今回は、前半に前田さんによるアトリビューション分析の手法と事例、後半は渡邊さんが、リッチコンテンツの分析手法の紹介について、2部構成でプレゼンがありました。


■朝日広告社 前田さん

まずは、アトリビューションについて簡単な説明がありましたが、ここでは割愛します。

朝日広告社さんでは、均等配分モデルでアトリビューション分析をしているそうです。
以下のような表を作成して、アロケーションポイントを媒体ごとにスコアリングして評価しています。

評価としては・・・

媒体D > 媒体E > 媒体A > 媒体B = 媒体C

と、ポイントが高いメディアがえらいようです。

さらにクリエイティブの評価も行っており、
Attribution ratio」という評価方法を採用しています。















Attribution ratioって?
ユーザが媒体にどのくらい接触したかを集計して、「Last ÷ First」で算出するものです。
Attribution Ratioの値が1.0より小さければFirst Touchに効果があり、1.0より大きいとLast Touchの方が効果があるって見方のようです。

ad:techでもプレゼンしていたので、ご参考ください。

アトリビューションが切り開く新しいメディアプランニングとは

ここからクリエイティブマッピングを作成し、最も効果があったものを可視化して、次回配信の際に効果があるクリエイティブを採用しています。
縦軸がコスト、横軸がAttributino Ratio、バブルの大きさがCV数を表しています。




















横軸の1.0を境に、左側がFirst Touchでクリエイティブが良かったもの、右側がLast Touchでクリエイティブが良かったものを評価しています。
A3、A4、B3がクリエイティブとして評価が高そうですね。


シナリオ配信

アトリビューションの分析方法とは別に、MediaMindさんの配信エンジンを利用して、シナリオ配信を行っているそうです。

広告から、心理変容をコントロールすることによって、コンバージョンする件数が変わってくるそうです。

  • 認知させるクリエイティブ
  • 興味喚起させるクリエイティブ
  • 比較・検討させるクリエイティブ

上記を考慮したクリエイティブを作成して、ユーザの状態に適した広告配信しているそうです。
確かに、いきなり比較・検討させるクリエイティブを見せても刺さらない気もします。
逆に、上記のようなシナリオがないと、アトリビューション分析はやる意味がないですね。


アトリビューション分析を行うための体制

今まで説明してきた内容を行っていくためには、以下のような体制が必要みたいです。

  • メディアプランナー
  • データテクノロジスト
  • コピーライター

色んな役割の人が必要ですね。
制作、システムの人達も必要になってくるかもしれません。

ここまでやることで、今まで連れてこれなかった顧客を見つけれらそうです。



■MediaMind 渡邉さん

「Dwellからのアトリビューション分析」という題材でお話いただきました。

「Dwell」ってなんすか・・・?

『Dwell』を解説してみる、 その1「Dwell on Branding」

リッチメディアのディスプレイ広告に対して、ユーザレスポンスを詳細に取っていき、どれだけ効果がありそうか判断する指標みたいです。
例えば、マウスオーバーしたか、どこをクリックしたかなど。

リッチメディアでは、インプレッションの価値を高めることが重要だそうです。

以下で、Dwellを算出できます。

Total Dwell(Dwell値) = Dwell Rate(Dwell率) × Dwell Time(Dwell平均時間)

Dwell Rateは、すべてのインプレッションのなかでDwellしたインプレッションの比率
Dwell Timeは、広告に「Dwell」した平均時間


またMicrosoftがリッチメディア広告におけるエンゲージメントに関する資料「Dwell on Branding」を書いています。

この資料によると、800のキャンペーンからDwell値を算出して、High Dwell、Low Dwellを分類して比較しています。

広告に接触してから検索を行ったユーザが、HighとLowで比較すると3倍以上違うようです。
また、サイト訪問者数では70%アップ、サイトPV数は125%アップしたようです。

業種やクリエイティブによるかと思いますが、効果は期待できそうですね。


リッチコンテンツのポイント

リッチコンテンツを制作するポイントとして、以下を挙げていました。

  • 長時間、目に付くところに(例えばメッセンジャーとか)
  • 動画コンテンツ
  • とにかく目立たせる

リッチコンテンツとしては、朝日広告社さんで言うところの、認知興味喚起するクリエイティブに向くコンテンツだと思います。

MediaMindさんの事例です。

Creative Zone Served by MediaMind


最後に、
アトリビューション分析は、取り組んでいるところは増えてきましたが、まだ定義も明確に決まっていないし、大きくは違わないですが各社違う方法でアトリビューション分析を行っています。

もちろん、ソーシャルメディアと一緒で決まった方法はないですが、まだ環境も整っていなかったり、
とりあえずアトリビューションは流行っているからやってみるかって感じでもない気がします。

また次回に想っていることを書こうと思いますが、もちろん第三者配信によるデータや、トラッキングデータ、検索ログも含めながら、色んな視点でユーザの状況を把握する必要があると感じました。





2011/11/08

Google+ページがスタートしたので作ってみました。



















待ちに待った「Goolgle+ページ」がスタートしました。
ということで、早速Google+ページを作成してみました。

Google+ページ Tech and Marketing fusion

その前に、「Google+ ページ追加利用規約」はチェックした方がよさそうですね。
ちょっとこわいのが、Google+ページを9ヶ月以上休止状態になっている場合、ページを停止される可能性があります。

またプロモーションに利用する場合は、「Google+ ページ コンテストおよびプロモーションのポリシー」や、今後、サードパーティーのアプリケーションを構築できるようになると思うので、「Google+ プラットフォーム開発ポリシー」もチェックが必要ですね。


Google+作成ページへ


















Google+ページ作成にアクセスします。
ここでは、「地域やお店の場所」、「商品/ブランド」、「会社/機関/組織」、「芸術/エンターテイメント/スポーツ」、「その他」のカテゴリーから選択します。


Google+ページ基本情報














次に、「キャッチフレーズ」と「プロフィール写真」を作成します。
プロフィール写真は、200px×200pxの正方形の写真になります。



















また「CREATIVE KIT」という写真編集ツールも利用できるようになっており、
トリミングや回転、色、リサイズ、テキスト挿入、エフェクトなどで編集できて、独自の写真の作成が可能になっています。


共有する











アカウントのサークルにGoogle+ページを共有できます。


公開!


以上で、上図のようなGoogle+ページが作成されます。
簡単すぎでビックリしましたが、今後機能がどんどん追加されていくと思うので、また作成方法が変わりそうですね。


機能紹介

Welcomeページに紹介されている機能を説明します。

1.会話
Google+と同様に、ストリームに投稿することができます。
基本的にはFacebookと一緒だと思います。

2.サークル管理
こちらもGoogle+と一緒で、サークルの作成や削除が行えます。

3.バッチを取得(ウェブサイトへ接続)
たぶんFacebookバナーと同じような機能です。
サイトにバッチを表示して、Google+ページへ訪問させることができます。

4.ハングアウト
サークルの仲間とウェブカメラでチャットができる機能です。
これ、プロモーションで利用できればですが、すごいおもしろそうな事ができそうですね!

5.Google+ Direct Connect
Google検索で、ブランド名の前に「+」をつけて検索すると、その企業のGoogle+ページをサークルに入れるよう勧めるページに飛ぶそうです。
「+google」、「+yahoo」とか。

6.+1 ボタン
サイトに「+1」ボタンを設置できる機能です。

まだこのくらいの機能しかないですが、今後さすがにGoogleなので、すごいスピードで機能追加されていきそうですね。

FacebookページとGoogle+ページの比較みたいな記事は出てくるかと思いますが、現状では、「ページ追加」、「API」、「サードパーティアプリケーション」、「解析」などがなく、まだまだ企業で利用するには早いかなってイメージです。

APIを調べてみましたが、Google+ APIには追加されてなかったです。
現状Google+のAPIも充実していなく、投稿やユーザープロフィール、ビデオチャットくらいしかないでしょうか。

でも、運用してみるのも必要だと思うので、簡単に作成できるし、まずは作成してみるのもいいかもしれません。

2011/11/07

ad:tech tokyo 2011 メモ - [I-1] アドネットワークとアドエクスチェンジは本当に オンライン広告の価値を高めるか?
















ad:tech tokyo 2011に参加してきました。
初参加だったので、とても楽しみにしていましたが、有料セッションは1つしか聞けず・・・

アドネットワークとアドエクスチェンジは本当に オンライン広告の価値を高めるか?

















・米国では、RTBの普及は87%になっている
・オンラインでディスプレイ広告を購入する広告主が20%になっている
・オンライン広告予算の35%がRTBバイイングに使われている
・43%がRTBを通して購入している

















広告主がオーディエンスデータを利用して購入している増加率
・アドネットワーク、エクスチェンジでは30%増加
・プライベートエクスチェンジでは18%増加(特定の広告主に、特定の媒体を販売)
・直接契約している広告主が14%増加

















RTBってどうゆうもの?って説明です。

















日本でどのくらい第三者のバイイングが伸びてきているか。
この図の通りですが、年々伸びてきています。

















広告主は、48%がRTBを利用したいと思っています。
理由としては、

・マルウェアを防ぎたい50%
・データを保護したい48%
・優先して購入したい37%

など。
チャネルコンフリクトがおきないとか、最低価格の設定もできることもあります。
ただ直接営業より、アドエクスチェンジの方が高くなるケースもありますが。

















アドネットワークとアドエクスチェンジの違いについて。

■担当者
アドネットワーク : 既に決まった媒体やメニューを購入する
アドエクスチェンジ : 媒体やメニューを一から選定して決めていく

■データ
アドネットワーク : 1stパーティーのデータ
アドエクスチェンジ : DSPが保持しているオーディエンスデータ

■最適化
アドネットワーク : DSP独自の最適化
アドエクスチェンジ : パートナーが独自に最適化

■オーディエンスターゲット
アドネットワーク : ターゲットセグメントに制限がある
アドエクスチェンジ : ターゲットセグメントに制限がない

■リスク
アドネットワーク : CPA、CPC、CPMが保障される
アドエクスチェンジ : 広告主・パートナーがリスクを保障する


また10/27にeMarketerからRTBによるディスプレイ広告の取引予測の記事が発表されています。

Real-Time Bidding Spending to Quadruple This Year

この記事によると、RTBによる取引は年々伸びてきており、現在は5%前後のところが、2015年にはディスプレイ広告の取引が27%になると予測されています。

日本でも一部で騒がれ始めていますが、来年には広告主も積極的に利用してくる可能性も十分にあるので、広告の考え方や周辺の概念・技術など、しっかりと理解しておく必要があるのと、ビジネスにできるようにしておかないといけないと感じています。

2011/10/27

[第7回]アトリビューション分科会

















アクセス解析イニシアチブ主催のアトリビューションについての分科会に参加してきました。
講師はFringe81のチェ・ゲバラこと田中 弦さん。
「iogous*mark」という第三者配信エンジンのアプリケーションを提供している会社です。

今回はアトリビューション分析の説明はなしで、実践編の話がメインでした。
アトリビューションについては、アタラ社のサイトがわかりやすいので参考にしてください。

アトリビューションとは

なんでアトリビューションで第三者配信が必要なのか?
まずはアトリビューションには、なんで第三者配信が必要なの?という説明でした。
今までは、各媒体ごとにインプレッションやクリック数などデータがあり、媒体ごとに効果測定・レポーティングしていたのが現状。

ただ第三者配信することによって、各媒体を1つのサーバで管理しているから、データも統合されてるので、レポーティングもまとめられるし、各ユーザがCVするまでどのような経路を通っていたかがわかります。
ビューのタイミングでcookieを発行しているから、ビューの後にクリックしたのか、サーチしたのかなど。

アトリビューションについて
「iogous*mark」に蓄積されている生ログ(Excelで5万行?って言ってたかな)を、18時間かけてユーザがバナー広告をビューしてからCVするまでのコンバージョンパスを調査したようです・・・
データとしては、1000万ブラウザで1000CVが対象。
(自分も業務で生ログを見る機会はありますが、5万行とかムリ・・・)

ここで最初に掲載しているイメージがその調査結果なのですが、衝撃的な事実でした。

パターンA、Bは、実際にバナー広告をクリックしてCVする割合ですが、4%しかない。
パターンC、Dは、バナー広告をビューしてから、サーチまたはアフィリエイトやポータルサイトの行う人達は80%もいます。
パターンEは、いきなりサーチする人。すでに目的がある人ですかね。

ということで、クリックしていない人達に対して、別の施策を行えばCVが増えるのではないか。というお話。

ビューしている人が短期間でサーチしてCVしていれば、ビューが影響している可能性が高い。(ビュースルーサーチCV)

















これは、ビューしてからクリックしないでCVするまでのCV数と累計シェアの相関らいしいのですが、右肩下がりということは、ビューが影響している可能性があることが言えそうです。
(影響してなければ、サーチCVは一定の件数になるはずなので)


他のパターンも色々な仮説ができるかと思いますが、プレゼン資料が公開されているので、確認してみてください。
今回の分科会の資料ではないですが、先日Atrribution Night 2011の資料になります。

【2011年10月4日開催】Attribution Night 2011

最後に、
簡単に分科会の内容をまとめましたが、目的にもよりますが、今後アトリビューションによってクリエイティブの考え方(クリックさせるかサーチさせるかとか)や、またクリエイティブからのリスティングのキーワードも変わってきたりするんじゃないでしょうか。
あと、業種によっても変わってきますね。

まだ広告を勉強して2ヶ月なので、間違っていることを言っているかもしれませんが・・・

ただアトリビューションマネージメントでは、ビューデータが重要なのは間違いないです。
アトリビューションする上で、ソーシャルメディアやオーガニック検索の考え方の課題はありますが、もうちょっとまとまってから、また書きたいと思います。

アトリビューションマネジメントによって、結局はCV・売上最大化につながってきていて、広告主や代理店、媒体が大きく変わっていくと感じました。